〔資産運用〕株式投資の未来は『個別株投資家の未来』-追記あり-

こんにちは。びたみんしーただです。

今回のポストは、最近読み終わった書籍に関するレビューと自分なりの考察をしていきたいと思います。

はじめに

10月に入ってから米国の債券の金利が上昇することで、株式市場からの資金流出があり株安が続いておりますが、僕はポジションを変えずにホールド中です。

この地合いだとディフェンシブ銘柄が強さを発揮していて、グロース株とディフェンシブ株のダブル運用と変わった?ポートフォリオにしていましたが、かげさまで精神衛生上、比較的落ち着いて相場と向き合うことができています。

今回は、僕がディフェンシブ銘柄を運用するに至った決定的な書籍をご紹介し、その際に考えたことについて記していきます。

以下、追記(10/9)

10/8時点でCNBCにてシーゲル先生のインタビューが掲載されました。

今回の債券の金利上昇が、次の四半期決算の大きな障壁となる」と語っています。

 


CNBCの元ネタはコチラから参照してください。

 

詳しくは、下記りんりさんの記事で要約されていますのでご覧ください。

S&P500ETFと米国株に投資するりんりのブログ

書籍紹介

株式投資の未来

僕のポートフォリオに影響を与えたのは、ジェレミー・ジーゲル先生の『株式投資の未来』です。

  • 書籍名:株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
  • 発刊日:2005/11/23
  • 著者 :ジェレミー・シーゲル

概要

投資家に本当の利益をもたらすのは、企業の急成長ではなく永続である――株式投資の常識を覆し、銘柄選択のあるべき姿を提示した、株式投資の新しい教科書。成長株投資や割安株投資の誤り、そしてバフェット流のバリュー投資手法の正しさを、過去100年以上の膨大な市場データをもとに立証。長期投資のバイブルとして知られる前著『Stocks for the Long Run』の結論をもう一歩掘り下げ、「成長の罠」に陥ることなく、市場平均を上回るリターンをもたらす銘柄を突きとめた。どの銘柄に、どのように資金を配分すれば、長期的に資産を積み上げることができるのか、そのための戦略を具体的に紹介する。全米ベストセラー。すべての投資家必読の一冊。

引用元:Amazon

この書籍は、現在の高配当銘柄投資家を増やした革新的な本として広く知られております。僕は恥ずかしながら無知で知らなかったのですが(当初はダイヤモンド・ザイとかを読み漁ってれば良いと思ってた)この本に出合って、投資に対する考え方が180度ガラッと変わりました。

シーゲル先生の考え方には、あのウォーレン・バフェットも影響を受けており、相互に評価しあうなど高め合う関係でいるようです。多くの投資家がこの本を見て投資を始めたり、その考えを改めたり、参考にしたりとレビューだけ見てもかなりそういう意見が散見されます。

考察・感想

この章では、内容について考察や感想を記述しますが、ネタバレ(今更って感じもしますが・・・)に配慮して断片的なワード等に対して言及していくこととします。

成長の罠

当書籍の中に頻回に出現する『成長の罠』ですが、これは現在のFANG等を見ていく中で参考になる指標となっています。実際に90年代からのIBMとStandard Oil of NJ(現在のエクソン・モービル)を比較するところから始まり、長期的なリターンを算出することで、グロース株投資優位と言う考え方に楔を打つ形となっています。

これが2000年代初頭の話です。現在でいうと、AMZNは無配当でキャピタルゲインのみを還元しているわけですが、その結果投資家の定期的な買い増しが難しくなったりすることで、リターンをフルに受け続けることが難しくなっています。しかし、ディフェンシブ銘柄は積み立て投資のようなスタイルに馴染み、配当を貰い再投資することで枚数と配当を増やし続けながら利益を享受できるという仕組みになっています。

また、この書籍の中で比較されている二社に関しては、当時ITブームで割高なハイテクセクターに対し、低迷していたエネルギーセクターの株を効率よく買うことが高い利益を得られるということを比較しており、セクター自体の盛り上がりが織り込まれて割高になる株を買うことは罠にかかることになるということを説いています。

つまり、要約すると株価の上昇自体はキャピタルゲインと言う言葉が独り歩きしているせいで、それを目的とした投資術なんかを提唱する場合もありますが、株主の利益とは、企業が投資を受けることで利益を上げ、これらの謝礼として配当を貰うことであるということが書かれています。

当たり前だろ!

なんて思う人もいると思いますが、見失ってませんか?そもそも株式投資とは配当金を貰うことが大前提としてあったはずです。適正価格(≒貯金感覚)で一定数の株券を買い、それに対して配当を貰うことを目指していた時期はありませんか?

僕はそうです。ブログの初期にポストしましたが、そもそも僕は銀行に預けているだけじゃダメだと思い投資を始めたわけですので、そういう意味では初心を忘れていたとも言えるでしょう。また、適正価格という割安さを如何に反映させられるかで配当以外の部分が輝きます。それがまさにキャピタルゲインではないかと。あくまで投資目的は株主になることであったということを肝に銘じ、今後も投資していきます。当然短期的にみるとキャピタルゲインはこのような投資術よりも良い結果を残すことができるのはわかります。このため、あくまでも長期投資のスタイル下では、という条件付きですけどね。

現在でいうところのFANGはまさに、単純にPERだけみると超割高状態になっています。ただ、これが成長の罠か否かというのは現時点で、AMZNに関しては判断が難しいです。利益を出さない運用方針を敷いているAMZNはPER等の従来指標では図れない部分があります。その他に関しては割高感が否めず、僕はNETFLIXの売却目安を決めているのも、このあたりの懸念があるためです。

S&P500やダウの指標を利用する個別株投資

この本の中で勉強になるのは、上記の成長の罠などの考え方に加え、銘柄選定の具体的手法を唱えているところです。

ダウやS&P500はそもそも組み入れ銘柄の組み替えがあるため、パフォーマンスとしては高い水準を保持しており、一定のリターンを獲得できるようになっています。それは現在のインデックス投資家の方も実践・実証されており、簡易的な投資法として利用されています。

注目すべきは、ベンチマークとなる指標を投資に加えて、更にリターンを得たい場合にどういった銘柄選定をすればいいかが記載されています。指標の中から特定の銘柄を選定して継続的に投資していくことで高リターンを享受しようという考え方です。

内容を詳しく書けないのが残念ですが、これは非常に勉強になる考え方で、確かに銘柄選定に迷ったときはこのような投資方法を利用することで機会損失をなくし、逆にロスカットのタイミングを見逃さないように投資が可能になるなと感心しました。

僕は現在、グロース株を中心に投資をしていますが今後のIoTやAI関連銘柄は過去のITバブル崩壊のように、どっかのタイミングでドカンと下げると言われています。その時に例えば売り切ってしまった後、投資先が見つからず機会損失を招くようなことがあるかもしれません。このため、この本との出会いはかなり大きなものとなり、今後の投資方針の形成に役に立つこと間違いなしです。

過去の知見は個別株投資家の未来?

『この本は2000年代初頭に発刊されたものだから、今の指標や状況には合ってないんじゃない?』と結構各所でいわれています。但し、僕が今日紹介している上記の部分に関しては指標やセクターなどの組み入れが更新され、都度都度の情報が更新されてきた中でも、歴史的に繰り返されている内容を注意事項として挙げ、伸びている部分を推奨しています。


投資家には「過去はこうであったけれども今は違う」と言いこれらの歴史的事象を気にを止めない人もいます胃が、歴史が示していることをないがしろにすることはよくないですよね。戦争然り暴落、引いては固体地球の寒暖差や地震サイクルであったり・・・。

つまり、こういった書籍は過去の遺物として処理するのは非常にもったいないわけでして、歴史に学ぶことはその本質を学ぶことにも近しいと考えています。

しかも、現在はネット証券での取引がメインであり、チャートや決算情報の指標などもネットで簡単に確認できますので、昔の考え方、特にこういった研究結果は時間や手法の関係で削いで且つ有効な知見を導き出しているため、現代では比較的簡単に利用できるものとなっています。

インデックス投資やバフェット流投資は、基本的に長期投資を前提に考案されています。当書籍では、優良企業と言われるTOP of TOPの企業に投資してもプラスのリターンを得られるとしてますが、それに割安さを付与して考えると更に高リターンを期待できるという考え方が記述されています。

また、僕はこの本に出合ったことでPMやKOへの投資を決心しました。単純に高配当が良いというわけではなく、ディフェンシブ株投資として、いつでも舵取りができるようにと言う意識で組み入れています。最初にも書きましたが、10月初旬時点での市場下落に対して強いのがこのディフェンシブ株であり、重要性を実感しています。

特にPMはシーゲル銘柄などと言われておりますが、ここ数年で100ドル前後まで上げて、現在は75ドル前後です。また配当性向の比率が9割を超えており、もう成長の余地はないのではないかと言われています。しかしながら、Standard Oil of NJの例をとっても、セクター内で優位に立ち且つ高配当を出し続けている企業は長期的にみると大きなリターンを生む起爆剤となります。100ドルで買ったとしても割安感のある現在時点で買い増しし、平均取得額を希釈することで損失は見かけ上埋まり、またこれらの高配当を受け取ることで、日々の値動きに一喜一憂することなく利益還元を受けられるのです。

以上の事から、こういった過去のベストセラー本の内容は、現代に生かさない手はないと思いますよ。これから、大恐慌が来る!!と騒いでいる内容も少なくありません。その時に備えて、過去の事例からより具体的に投資していく術を学ぶのはどうでしょうか?

まさに、個別株投資家の未来となりえるでしょう。

グロース×ディフェンシブという投資スタイル

この記事を書いている僕は、この本に反してFANGを保有しています。厳密にはAmazonとNetflixです。また、同様にグロースにクラスタリングされるNvidiaも保有しています。

これは持たざるリスクを考えた判断とも言えますが、一方では「好調な米国市場背景」が前提として成り立っている現状とも言えます。この中でもまさにAmazonは申し子ともいえるでしょう。利益を出さずにキャピタルゲインのみで株主還元するという新たな企業の姿です。

しかし、景気低迷の中ではどうなるのでしょうか?過去のITバブル崩壊時にはAmazonも株価が20%以上下落しています。その頃と現在を比べると積み上げてきた実績も地盤の硬さも違いますのでどう挙動するか不明です。

つまり、この挙動が不明だからこそ下落に強く企業体力のある企業に投資する意味があるのです。そうしておけば、Amazonが大幅に下落した際に「たられば」をダラダラと語ることなく、タイミングを逃すことなく自分の資産を守れるでしょう。

投資スタイルは誰かを参考にするのは良いですが、それを自分なりにカスタマイズしていくのが個別株投資の醍醐味です。インデックス投資は特例になりますが、この醍醐味を不要・重いと考えるのであれば投資信託で合致するテーマのものを購入するのが良いと思います。

僕の場合は、投資信託の信託報酬料がとられるのもありますが、第一に責任を担保してくれない(≒信用する)行為自体に違和感があるため現在は保有していません。第二に、顔も知らない声も知らないバッグボーンも知らないファンドマネージャーを信用し、その人が顔も知らない声も知らない何をやってるのかよくわからない企業に更に投資をするのだと思うと少し気が引けます。(知らない)^2なわけです。やっぱり死ぬなら自分を呪って死んだ方がマシです。

そんな心意気で投資をしているのでした。

おわりに

いかがでしたでしょうか?ちなみに僕はシーゲル信者ではないのです。ですが、この本の中では過去の統計データを長期的な視点で分析し、歴史的背景を基に考察を加えています。このため、説得力のある内容になっているので様々な投資家の人たちに愛読されているのでしょう。

内容が書ききれないほど詰まっているので、記述する箇所の選定に迷いました。本当は投資リスクについて短期・長期の国債と株式を比較したところなどは説得力があり、気に入ってたんですが、気軽に読める文字数と言うことでお蔵入りです。

僕の投資スタイルに影響しているのは間違いないですが、今後も同様の書籍等を読んで勉強し、こういった記事を書けるようになればいいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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