〔資産運用〕ドル建て終身保険は優良商品?それとも・・・

こんにちは。びたみんしーただです。

今回のポストは、大学時代の後輩君に”保険“と”資産運用“の相談を受けた際のやり取り内容について考えていきます。

はじめに

今回、僕の後輩夫婦が『ほけんの窓口』に行って色々と相談して商品を勧められた際「これってどう思いますか?」と相談された内容についてポストします。

結婚して所帯を持つと、人生設計をこれまでよりも詳細に詰めたいと思うんですかね~(未経験)。まぁでも投資クラスタの方はわかると思いますが、このまま貯蓄をしたとしても相当の給料を貰わないと平均年齢まで生きるのにでさえ貧困に喘ぐ可能性がありますから、いい方向に考えが行っていますよね。

相談者のプロフィールと背景

相談者について

  • 相談者 :Aくん
  • 年齢  :20代後半
  • 職業  :会社員
  • 扶養  :なし(共働き)
  • 世帯  :2人
  • 資産運用:国内株式(嫁のみ)、ふるさと納税

相談の背景

  • 老後のお金について不安になってきた。
  • 資産運用の重要性に気付いた。
  • 『ほけんの窓口』で保険を紹介してもらったが、その商品についての正否を問いたい。

相談内容について

勧められた保険について

相談者Aくん

最近『ほけんの窓口』通ってて、老後の資金確保節税的なものできないかなと考えているんですよね。
その考え方自体は大事だと思うけど・・・なんで保険?

びたみんしーただ

相談者Aくん

大きく投資する資金体力がないのでコツコツと守りの運用が善と思っているんですよね。
なるほどね。じゃあidecoは?節税にもなるし運用もできるよね?

びたみんしーただ

相談者Aくん

idecoはやろうと思ってます!それに加えて何かディフェンシブな運用ができるものがあればと思って保険も考えているんですよね。

と言う経緯で保険の紹介を受けたそうです。

相談者Aくん

紹介を受けた保険はこちらです!ちなみに解約返戻利率は130%前後だそうです!

外貨建積立利率変動型終身保険

  • USドルの積立
  • 変動金利型
  • 最低積立利率3.00%
  • 通貨交換時手数料あり
  • 積立期間~60歳迄
  • 保険料 約1万3000円/月

えっ!(なんかめちゃ効率良くない・・・?)

びたみんしーただ

推奨保険の試算

びたみんしーただが試算してみた

  • 期間~60歳迄
  • ドル円(79~125円)乱数
  • 利率(3%~4%)乱数

  • 換金ドル円         112.00
  • 損益額  ¥6,393,669
  • 損益率   180~215%

※)途中の年齢はセルの都合で中略しています。

112円で換金すると倍以上の運用益が出るんか!すごいな~。ちなみにレート70円で換金してもプラスにはなります!

びたみんしーただ

相談者Aくん

130%前後どころではないじゃないですか!こりゃ即契約ですわ!
待て待て落ち着け!いくらレート的にはプラスになるとは言えリスクもあるよ!

びたみんしーただ

ドル建てのリスクについて

では、どのようなリスクがあるのか整理してみましょう。

為替リスク

米国株をやっているのでこのあたりはわかりやすいです。まずは為替差益が挙げられます。そしてこの為替差益は海外の政治状況にも左右されやすいので注意が必要ですね。

特に最近だとトルコリラの暴落の事件がありました。さすがにドルはその危険が少ないと思いますが・・・。少なくとも通貨変更を行うということはその手数料と、それを自国通貨に戻すときの価値が変わるというのは注意が必要ですね。

僕の試算した感じだと乱数でドル円を変化させていて、一応プラスにはなるという試算結果はでていますが、これはどこまで信用できるのかと言うことはあります。通貨と言うのは今回のリラの件もありますが、一度信用を失うとそこから当時の水準に戻るのに何十年と言うスパンで耐えなければいけません。実際経済破綻したギリシャは未だに立ち直れていませんので、非常に長い時間が必要なのがわかります。

月々の積立額の変動

この保険はドルで積み立てますので、当然その時の為替レートが適用されて日本円がドルに換金されます。このため、為替の上下により月々の積立額が変動します。

このデメリットとしてきついのが、自動でその時のレートで積み立てになることです。僕のように米国株を保有している場合は、チャンスを狙ってある程度安い時にドルに換えておくことができるのに対し、その時のレートで為替両替をするとなると本当に運が悪ければ高値を掴まされ続ける可能性もあります。

ただ、そこは機械的に処理してもらった方が良いというのであればそれでもいいと思うんですけどね。安い時安い時を狙いすぎて機会損失を招くというのも十分ありますので、考え方はいろいろあると思います。

最低積立利率3.0%

この利率3.0%と言うのはかなり魅力的な数字に聞こえますが、結局、上記でも記述したように為替レートで積み立てている日本円の額や換金時の為替レートが関わってくるため、対満期換金時円換算で考えると大いに変動があります。このため、金利としては実質それぐらいの運用成果があったとしても受け取り時にそれが反映されるかどうかはわからないのです。

換金時期を選べますよという聞こえのいい言葉

これは積み立ての終身型の保険であるため、長期で考える人向け商品だと思います。また、最低利率3.0%と言う数字を見れば60歳までの積み立てを検討する人も多くなります。

この商品の特徴として、払い込み終了後に一定期間の両替タイミングの猶予を与えてくれます。つまり、被保険者の好きなタイミングで為替を両替できますよ~と言うことですね。

いいじゃん!

と思うかもしれませんが、実際どうでしょう?自分が60歳になって払い込み満了となったときに、為替のタイミングを計りますか?為替は確かに変化はするものではありますが、短期で1円2円変わるようなものではないです(突発的事故を除いて)。また積み立てで強制的に両替してきた人がでいきなり為替の状況を予測できるようになれるとも思えません。米国株やFXも個別に運用している人は大丈夫かもしれませんけどね!

実際のところ長い年月をかけて積立終わって満期になったら普通に何も考えず両替解約する人が多いと思います。せいぜい待っても半年くらいがいいところじゃないでしょうか?普通ならすぐにでも欲しいと思いますよね。そのための積み立てだったのですから

保険商品と資産運用

相談者Aくん

なるほど~確かにドルの為替両替タイミングなんてわからないですよね~。でも試算を見てると損はしなさそうなので悪くなさそうですよね?
130%前後の運用益と出してるあたり、3%で推移しても為替差益でそのぐらいに落ち着くとみてるのかもしれないよね。それに表内では利率を4%上限として計算しているけれども、正直なところリスクが小さい商品であるという性質上、実際はそんなに利率の上昇は期待できないと思うんよね~。

びたみんしーただ

相談者Aくん

ふむふむ。ただ一応終身としての積立保険なので、運用益はマイナスにならなければと思うのであれば可ということですね?
そういう見方もあるね!ただ米国株をやっている方からしたら為替を自分の責任とはいえ替えるタイミングを計れるから、そこには違和感があるんよね~。それに保険はついてこないけれど同じく積み立てる投資法とかもあるから、「お金を増やしたいのか」終身保険に入りたいのか」で方針は変わるかもね。

びたみんしーただ

相談者Aくん

「二兎を追う者は一兎をも得ず」じゃないですけれど求めるものが何かというのを明確にした方が良いってことですね!
そういうことだね~。てか『ディフェンシブな運用』をしたいって言ってなかった?この保険はその観点から行くとオフェンシブな運用だと思うよ!豊玉高校ぐらいオフェンシブ!

お前がエースや。

びたみんしーただ

 

保険に入るメリット

でもこれまでの話だと保険に入らないほうがいいって感じに聞こえるんですが・・・。
そんなことないない!特に生命保険は”年末調整で控除“を受けられるから『節税目的』として入るメリットはあるよね!

びたみんしーただ

相談者Aくん

年末調整はまぁまぁの額が返ってくるのででかいですよね~。ただそこまで言うならなんかいい商品ないんですか?

保険の控除の恩恵を損なく受けるために

と言うわけで僕が保険について参考にした記事をご紹介します。

ミスターマーケットさん:【今すぐできる節税】保険嫌いにオススメの生命保険「じぶんの積立」

この記事に掲載されてる『じぶんの積立』ですが、この商品の特徴は『生命保険控除』として節税できるということです。また、保険の払込期間も短く、全体期間も10年と短期間であるため無理やり解約して見直さなければならないということにもなりにくいです。さらに、元本保証で少しだけ利息も付くので損はしないようになっています。

生命保険の控除を10年受けるのが最大の目的なので、保険内容に少し物足りなさがある方は違う保険もいいかもしれませんが、あくまでも『節税』をテーマに考えるとこれで十分ということです。

ただ注意事項として、満期を迎えて解約となった後、続けて一から同じ商品を購入することはできませんので、他社の似たような商品に見直すことが必要ですね。

このタームで保険をロールしていけば控除で節税の恩恵を預かれるということです。詳しくは前段のミスマさんの記事をご覧ください!

ほけんの窓口の仕組み

窓口担当者に聞いてみた『保険紹介の仕組み』

相談者Aくん

なるほどですねー!自分は家族がいるので多少有事の時に何かを残したいという気持ちがあるので要検討です!嫁も資産運用は国内株式でしてますし両者がリスクを取る必要はないかなとも思ってます!
確かに保険を本当に『保険』と捉える人と『資産運用』捉える人と『節税』の対象として捉える人がいると思うから自分のライフスタイルに合った選択をすべきだね!ただ注意して欲しいのは”おいしい話には裏がある”ということ。隠れたリスクを見抜くという嗅覚は大事だね!

びたみんしーただ

と、言いますと?
当然、FPでもない限り内容の深い理解は難しいから、僕の場合は『何故この人はこの商品を勧めてくるのだろう?』と考えるけどね!

びたみんしーただ

 

星周りが良かったのか、僕の周りには保険屋さんが多くいます。そこで保険屋さんに「ほけんの窓口の仕組み」を聞いてみました。特に一番気になるのが、どうして「その商品を勧めてくるのか?」と言うことです。

結論から言いますと「インセンティブの額」がキーポイントだそうです。実際、各社似たような商品も多いですし、その種類別でまたインセンティブが違うそうです。例えば年金積立保険は生命保険に比べてインセンティブは10分の1程度だったりするそうです。

今回のケースでいうと「終身タイプ」というインセンティブが大きなケースです。この場合に更にインセンティブが大きくなるパターンとして『外資系企業』というのがまた一つキーワードになります。やはり国内企業に比べて外資系企業の方が羽振りがいいんですね!

う~ん。なるほどって感じですね。ただこれはあくまでも「そう言うことに重きを置いて紹介してくる人もいる」という一例だと思ってください!本当に親身になって考えてくれる方々もいらっしゃると思います(・・・多分)。

保険と資産運用

相談者Aくん

なるほどですね~。言われたことは鵜呑みにせずに一回持ち帰って落ち着いて判断する必要がありそうですね。そういえば、自分も実は株式投資にも興味はあるんですよ。でも嫁がやっているのでダブルでリスク取るのはなぁ・・・と思ったりしてます。仮にじぶん積立に加入したとしたら運用利益は小さくなるので別途の運用が必要になるじゃないですか?その場合はどうすればいいんですか?
それはまず節税も考えて「ideco」を開設して運用するのが手っ取り早いかもね?ただこれだけだとそれこそ投資信託の購入日が限定されるって縛りもあるんだよね~。

びたみんしーただ

相談者Aくん

そういう意味では自分が紹介を受けたドル建て保険とあまり変わらないかもですね。
そういうこと。だからもし本気で運用したいならNISA口座を開設してルールを設けたうえで継続的に投資していくスタイルなんかはいいかもしれないね。自信がなければつみたてNISAでコツコツ運用していくのもいいかもしれない。ただこのつみたてNISAも商品が限定されていてidecoの性質と似たような部分もあるから、通常のNISAとどっちが良いかを慎重に選択したいね。ただ、もし通常NISAで始めるならディフェンシブ米国株の積立高配当受取型の投資スタイルなんかがいいかもね。

びたみんしーただ

相談者Aくん

ほうほう。NISAの仕組みについてあまりわかってないところがあるのでまずは勉強してからですかね。結構色んなブログを除くと運用成果を上げている人も多いと聞いていますので成功事例を確認したうえでどちらのNISA口座が良いか検討してみたいと思います!
それがいいと思うよ!こういう金融関係の勉強は絶対に今後の人生で無駄にならないし、合理的なものの考え方の勉強にもなるからいいことしかないと思う!ただ・・・無理な運用をするともっと貧困に喘ぐことになることになるのでご注意を!

びたみんしーただ

僕も先月からディフェンシブ株の運用を始めました。

〔資産運用〕2018年9月ポートフォリオ 『高値』の花となったAMZNとの付き合い方

おわりに

いかがでしたでしょうか?個人的に相談を受けて考えて、そして知っている人に確認したりして・・・とここまで行きつくのにしばらく時間がかかりましたが、僕個人的にも勉強になったなぁと思いました。

特に身近な人の相談だと親身さも増しますのでなるべく損をさせずに且つ相談者の考え方も考慮すると言ったようなアドバイスができるようになりたいなと思いました。

今回取り上げた『保険』ですが、家族がいる人といない人では求めるものが違いますのでライフプランにあった選択をすることが重要ですね。僕の場合は性格が悪いためなのか「紹介してくる人を信用できない」みたいなところがありますので常にそのバックグラウンドを意識してしまします。結果としてインセンティブの事を知れてよかったです。やっぱりそういうことなんですね~。騙されちゃいけません。

最近は保険もそうだし投資信託にですら違和感を覚えています。

びたみんしーただ

保険や投資信託で資産運用って「自分の代わりに誰かが運用する」というところが「失敗しても自分のせいじゃない」という責任転嫁にも感じます。ただこの責任転嫁は個人の心中だけのものであり、失敗したところで運用会社からお金が戻ってくるわけではありませんよね。結局のところ泣き寝入りです。とても嫌な失敗の仕方ですよね。

資産運用は当然リスクがあります。自分のお金の責任を他人に託すのは普通に考えて不安ですよね。お金の使い道は自分の手からなるべく近いところで使うのがベストなんじゃないかな、なんて最近は思うようになりました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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