〔米国株〕NVIDIA第1Q決算 プラットフォーマーが依存するエヌビディアの半導体

びたみんしーただです.

今回は今朝発表となったNVIDIA(ティッカー:NVDA)エヌビディアの第1Q決算’21についてポストします.

はじめに

NVIDIAは前回の決算が好調で,これまで上昇トレンドで株価が右肩上がりでした.前回の決算については以下をご参照ください.

そんな好調なトレンドも,例に漏れず新型コロナウイルスの影響でトレンドが崩れました.

しかしその後の半導体需要や,クラウドサービスを提供する事業者,すなわちデータセンターを保有する事業者の好決算やクラウド事業の高成長などを背景に当銘柄がピックアップされ株価はどんどん回復しています.

上図でいうところの雲抜けは情勢としてテレワークによるPC需要や,クラウド利用率の上昇が報道されたこともあり生じたものです.前回決算で財務状況が改善され,今後の成長を期待された銘柄として返り咲いたNVIDIAですから今回の決算は状況も手伝ってかなり期待されていました

その期待値が出来高に大きく表れています.今回の決算前の出来高はコロナショックの大底である3/19の売りよりも多いです.その前後数日を見てもほぼ同等ぐらいの出来高が見られます。

トレンド,ブームに乗った投資家が多いことがわかります.この手の状況になると,決算通過によって株価が上振れすることが非常に難しくなります.要するに,ただの好決算では市場の期待に応えられないためです.これらを踏まえると,今回の決算通過後は短期的に下げに転じるのではないかと推測します.すなわち市場の期待をかなり織り込んだ株価上昇になっています。

※)前年同期比+180%!のような超サプライズがあれば上昇の余地もあるでしょうが可能性が薄いということです.

決算概要

NVIDIA 第1Q四半期決算 概要

  • 売上高:30.8憶ドル(前年同期比+39%
  • EPS:1.80ドル(前年同期比+105%

以下、次期ガイダンス

  • 売上高:36.50億ドル(予想+5.00憶ドル

個別事業推移概要

続いて、個別の事業の推移状況です。

  • Gaming:前年同期比+27%
  • Professional Visualization:前年同期比+15%
  • Datacenter:前年同期比+80%
  • Automotive:前年同期比-7%
  • OEM and IP:前年同期比+39%

決算所感

全体概要

今回の決算,数字だけを見るとかなり優秀な決算であったことは明確です.しかしPERは77.5倍とかなり割高の水準になっています.それらを鑑みると適正価格を考える決算通過後も割高となります.決算後,時間外で-3.0%程度下げています.

株価を考えると一旦は$340.00付近の穴埋めをする可能性があります

個別事業推移概要

Gaming部門

Gaming部門は、前年同期比で20%以上の増加を見せました。

やはり全世界的にお家で過ごすことが多いからかNVIDIAのGamingに係る全ての主要製品に大きな需要があったとしています.やはり在宅時間が多いためGeForceプラットフォームを利用してゲームをする人が増えたようです.

また,ひと月に1億2千万人以上がプレイすると言われる”Minecraft”で利用可能なRTXがリリースされ,今後はレイトレーシング技術などが組み込まれていくようです.

NVIDIAのGamingと言えばNintendo Switchにも使われているのが知られていますが,これらの売上も上がったと思います.僕も現に「あつまれどうぶつの森」を買ってみたりしているので,このお家時間を期に本体ごと購入した人も結構多いと思います.

レイトレーシング技術については以下をご覧ください。

Professional Visualization部門

Professional Visualizationは前期同様,ワークステーションや一般的なPCの需要増加により売り上げが好調でした.

特に今期はヘルスケア,メディア,エンターテイメント,高等教育の業界で需要が多かったようです.

このヘルスケアは,新型コロナウイルス(COVID-19)に係るCT などの画像分析、ゲノム解析などに膨大な解析能力が必要になりますので需要が増えたものだと考えられます.

高等教育もまた,オンライン授業を推し進めていく動きの中で需要が生まれたものだと思われます.いずれにしても,これまで顧客にしていなかった分野からも需要を受けていますので一時的なものと考えるのが自然かと思われます.次年同期にはこれらを考慮して数値を考察する必要がありそうですね.

Data Center部門

データセンターは、今回決算の目玉となりました.なんと前年同期比+80%と驚きの数字を挙げました.これは記録的な決算となったようで,初の10億ドル越えを記録しました.

この急成長の要因は,コロナ禍でのクラウド事業の好調が後押ししたことや,新製品であるA100 GPUがデータセンターを保有する企業で採用されることが多かったことが要因と言えます。

また,以前NVIDIAが買収したデータセンター用半導体の製造を請け負うMellanox(メラノックス)社も前年同期比で40%以上の急成長を遂げているとのことです.なお,Mellanox社の収益は2022年の第2Q以降に組み込まれるそうです.

クラウド事業者と半導体製造は一心同体

今回,新型コロナウイルスの影響下で初の決算となりました.この中で改めてわかったことは,IT産業はもはや下落に弱くなく,生活必需な産業に昇華しているということです.

これまでも同様の主張を繰り返してきましたが,如何せん割高になりがちであるため実態から実証することが難しくありました.しかし,今回のコロナショック後のハイテク銘柄の回復状況から,これらの産業の必需性が証明されたと思います.

特に,今回の下落で取り上げられたのはZoom($ZM)などのテレビ会議ツール,そしてクラウドサービスを提供する事業者($AMZN,$GOOG,$IBM,$MSFT)です.これらは株価,決算共に好調を示しました.

そして今回のNVIDIAの決算ですが,まさにこれらの恩恵を得ました.Data Centerの項目で先述しましたが,多くの主要クラウド事業者がNVIDIAの半導体を採用したスパコンを導入しています

確かに,AMDなどの他企業の半導体もありますが,やはりハイエンドモデルと言えばNVIDIA製品というのがクラウド業界での常識になりつつあります.すなわち「研鑽された技術力は”安価”という壁を穿つ」ということを体現しています.

下記の記事に記述しましたが,データセンター用のスパコンはメンテナンスをせず買い替えがメインの使い方になりますので,今後の更なる需要を考えると安定した売り上げが期待できると思われます.

クラウド事業は,NVIDIAにとってかなり大きな産業となってきました.今回決算の発表スライドの一部を見ると一目瞭然です.これは,2016年と2020年時点での事業割合を示したものです.

これまでは,ゲーミングが6割弱を占めた企業でありましたが,現在は約50%となっており,その分の多くはデータセンターが占めています.もはや3割弱がデータセンターです

今後の動きについて

どうしても株価が割高なので買い増しするのは難しいと思っています.先日の記事で書きましたが二番底や三番底があると踏んでますので,買うとすればそのタイミングと考えています.

但し,長期で考えるとこのような情報も出てきています.スイスの大手証券「クレディ・スイス」がNVIDIAの目標株価を$425に引き上げました.

昨年から考えると信じられない株価ですが,既にNVIDIAはただの半導体屋ではなく,AI革命を正確に読み切ったAIソリューション企業と言えるでしょう.少なくともGAFAが全盛のうちはその恩恵を一身に受ける企業であり続けるでしょう.

おわりに

いかがでしたでしょうか?

最近チャートの形が良いなどという理由でNVIDIAのホルダーが増えてきています.

なんでしょう,応援していたインディーズバンドがメジャーデビューしてドラマの主題歌に使われたことでめちゃくちゃ売れたためににわかファンが増えた時みたいな気持ちです.

ファンが増えることはいいことです,でも売らないで欲しいですね笑

一生一緒にエヌビディア

エヌビディアホルダーに幸あれ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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