こんにちは。びたみんしーただです。
NVIDIAが2020年第1Q四半期決算を発表しました。今回は決算内容をおさらいするとともに、今後の投資方針についてポストします。
はじめに
前期には利益警告を発表し暴落し、前期では仮想通貨マイニング向けの製品が思ったよりも売り掃けなかったため失望決算を発表していましたね。ちなみに今期は前期利益警告時に「2期後には安定した決算をだせる」と発表している中で1期目のの決算になりますので注目です。
過去の決算の振り返りは以下の記事をご覧ください。
NVIDIA第1Q四半期決算 概要
- 売上高:22.2憶ドル(予想から+0.2憶ドル)
- EPS:0.88ドル(予想から+0.07ドル)
以下、次期ガイダンス
- 売上高:25.00~26.00億ドル(予想から-0.5憶ドル~+0.5憶ドル)
個別事業推移概要
続いて、個別の事業の推移状況です。
- Gaming:前年同期比-39%
- Professional Visualization:前年同期比+6%
- Datacenter:前年同期比-10%
- Automotive:前年同期比+14%
- OEM and IP:前年同期比-75%
決算所感
全体概要
今回の決算、時間外では一度7%程度上げてそこからプラスマイナスゼロに落ち着きました。僕個人としても上げる理由が見当たらないと思いました。と言うのも、前回記事で示したデータセンター部門の発展に若干不安感が広がったためです。
データセンターは、マイニング向け製品から撤退する中で、売り上げの3割近くを占めていた部門であることから、その成長率が一つカギだと思っていただけにダメージは大きいです。
また、ガイダンスを若干上回ったとはいえ、このガイダンス自体はかなり下方修正したものをわずかに上振れしたに過ぎず、来期には在庫処理関係を片付けるというハードルすら超えられない可能性も出てきたと思います。
時期ガイダンスもかなり守りに入っているように見受けられます。そういう意味では一寸先は闇と言う状態はこれまでと変わっておらず、転んで大怪我、なんて可能性も捨てきれません。
ということで、決してこの決算は好決算ではないということを理解しなければなりません。
とりあえず $nvda の決算を好決算と喜んでるやつはセンスないから退場してください。。。
— びたみんしーただ (@Ctada2) 2019年5月16日
個別事業推移概要
Gaming部門
前回の決算時のGaming部門は、在庫の関係で大幅なマイナスとなりました。今回も同様に前年同期比で比較するとかなり落ち込みが目立ちます。しかしながら、今後のゲーム制作においてレイトレーシング技術が一般的になっていくことを考えるとそこまで悲観的なものではないと思われます。実際に、NVIDIAが公式HPでプレスしていますが、ゲーム開発者向けにレイトレのレンダリング用プラットフォームを開発したとありました。
他社の追随の程度にもよりますが、現時点ではライバルとなる企業はないため、今後のゲーム部門の発展とこれらのツールが売上に寄与してくることを願います。
Professional Visualization部門
前期、前年同期比に比べこちらも成長率は低下しほぼ横ばいのような状態となりました。しかしながら、前回記事でも記述しましたが、なかなか事故ることのない部門と言えます。ここ数年は目まぐるしく半導体なども進歩していますので、PCの入れ替えサイクルなどを考えると比較的安定した部門と言えます。また、上記のGaming部門とも関連してクリエイター側のツールが増えることで採用の可能性が高まりますので、需要と供給が読みやすい部門の一つと言えるでしょう。
Data Center部門
最重要と念を押したData Center部門はその願いも空しくマイナス成長となりました。後述しますが、需要はあるが競争に負けた可能性があります。これらの製品はプラットフォーマー向けの製品ではありますが、そのプラットフォーマーも大中小様々です。高性能で高価なNVIDIAの製品はいわゆる大口顧客に売り込むことが一番のポイントであるため、逆にこれに失敗すると大きく損失を被る可能性があります。
Automotive部門
自動運転部門は相変わらず少しずつの成長がしばらく続いています。これは、前述したData Centerの数年前の姿に似たものがあるでしょう。一般化されるまではまだまだ時間がかかると思われますが、これも現状ではNVIDIAの性能が群を抜いているための採用数であると考えた方が良いでしょう。
ある程度必要なスペックが明確化したときに取って食われるというパターンは想定しておくべきですね。また、この分野は一般化するためのハードルが非常に高いこともあり、第4次AIブームのように途中で色々と立ち消えないように注意しなくてはなりません。特に車両向けの製品などは人命が関わるために実装までに厳しい目を向けられることは請け合いです。このため、これらを総括するとあまり突っ込み過ぎないのも経営上大事ではないかと思う節もあります。
性能と価格の狭間で
3月ごろにAMDがGoogleやMicrosoftなどに採用されるなどのニュースがありました。これまではAmazonなどの大口顧客を獲得し、Data Centerを躍進させてきました。しかし、ライバルであるAMDがここ最近の猛追で大口顧客をかっさらっていきました。
ここ数年、AWSやAzureと言ったクラウドサービスが大きく発展しましたが、これはAmazonやMicrosoftなどのプラットフォーマーが大きく設備投資した結果です。当時、この莫大な設備投資額の恩恵を預かったのがNVIDIAといえるでしょう。しかし、前述するように、最近はAMDも競合として採用されつつあるため、その大取り分をそのまま貰えるほどクラウド事業の市場は甘くないようです。
私見ですが、これらのサービスは青天井に機能拡張や効率化するのが普通であるとは思えません。当然ユーザー数の頭打ちもあるし、必要十分な機能や効率性が担保されていればそれ以上は蛇足と言えます。つまり、デバイスの性能がものを言うのは事業の進展期に限られるのではないかと考えられます。よって、最終的にはそのコストパフォーマンスがものを言うのではないでしょうか。つまり、「良くて高い」ものよりも「十分で安い」ものが好まれる市場に移行しつつあるのではないかと推測します。
これまでは、価格の差でも埋まらない性能がNVIDIAには担保されており、それが市場を席巻する要因でありましたが、安価で性能が不足すると言われていたAMDの製品が価格をそのままに性能を上げてきたことでプラットフォーマーの評価が変化したのではないでしょうか?
そういう意味では、今後市場で勝ち残っていくには、性能だけでなく、生産効率を始めとする安価な製品を提供するスキームを考案していくことが鍵になると思われます。その点、吉報と言ってよいかはわかりませんが、先日、メラノックスと言う半導体設計会社を買収しました。この買収がどのように影響してくるものなのかは定かではありませんが、設計と製造でうまくマッチングすることにより安価且つ高性能な製品を生み出すことができるとしたらこの買収は大成功と言えるでしょう。
ポジショニングについて
再々再々再三になりますが、ホールドします。しかし悪材料出尽くしとは言えません。データセンター部門が滑ったので正直売りたいところではありますが、含み損が大きすぎるのもありボトルネックになっています。
ここ最近は市場全体を通しても調整を超えながらも右肩上がりの好調が続いています。米中貿易摩擦に反応したのも2日くらいでした。そんな中で決算に期待が持てなかったNVIDIAは売られ、決算後もほぼ横ばいの展開です。益々売却のタイミングがなくなりそうで怖いですね。
とは言えホールドする理由は、保有が現物であること、ゲーミング部門においても未だにレイトレ関連の反映が見られないことが挙げられます。どうやらレイトレ用のツールを待ってからの反映になるようですね。それを確認した上での判断が最も賢いと考えました。
また、割安水準になる140ドル付近まで下がれば例によって買い増しをする予定です。実際、こういった企業は研究開発費にも多額の資金を投入していますので、どこで何が化けるかわかりません。そういう意味ではNVIDIAは従来の体制通りで行くとかなりチャレンジングな企業でありますので期待が持てるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
相変わらずパッとしないですね。決算もパッとしないし将来予測も控えめだし変な銘柄です。この気持ち悪さはある意味で大きくどちらかに触れる予兆ともいえるでしょう。
逃げ遅れ組みの筆頭としてこれからも監視を続けていきますが・・・他が好調なだけに毎朝首をかしげることが多くなりました。
実際、決算発表の時に「データセンター部門の通期見通し」を発言しなかったことが問題視されたりなど不安要素があり時間外はフラットに戻されています。折角インテルと競合して会社を買収したのにも関わらず見通しが不透明であるというのはいかがなものでしょうか。株主には言いづらくてもしっかりと事実に基づいて現状を説明して欲しいものですね。
何はともあれ、まだ生きているのか冬眠しているのかわかりませんが、
エヌビディアホルダーに幸あれ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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