〔米国株〕NVIDIAとAIブーム -Pick Up : 自動運転とNVIDIA-

こんにちは。びたみんしーただです。

今回は、僕も保有するNVIDIA(NVDA)について自分なりに考察、整理してみました。特にここ最近非常に加熱しているAI市場の背景とNVIDIAの製品・サービス等との関係についてピックアップします。あくまでも、私の理解の中での記述になりますので、実際の事例や内容と差異があるかと思いますがご了承ください。

NVIDIAについてのおさらい

 

そもそも、NVIDIAを知らないって方もいるかもしれませんので、下記に示します。

NVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカー。コンピュータのグラフィックス処理や演算処理の高速化を主な目的とするGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を開発し販売する。 デスクトップパソコンやノートパソコン向けのGPUであるGeForceシリーズ、プロフェッショナル向けでワークステーションに搭載されるQuadroやNVSシリーズで有名だが、スーパーコンピュータ向けの演算専用プロセッサであるTesla(テスラ)や、携帯電話やスマートフォンタブレット端末向けのSoC(システム・オン・チップ)であるTegra(テグラ)の開発販売も手掛ける。日本法人は東京都港区赤坂にある。

引用元:ウィキペディア

  • CEO: ジェン・スン・フアン
  • 本社: カリフォルニア州 サンタクララ
  • 設立: 1993年4月
  • 収益: 97.14億ドル
  • 創立者: ジェン・スン・フアン、 カーティス・プリエム、 クリス・マラカウスキー

要するに、GPUを販売する半導体関連の企業です。ここ最近めまぐるしい発展を遂げる人工知能(AI)は、このGPUを利用して演算や解析を行うことが最も効率が良いとされており、NVIDIAはそのGPUを開発・製造・販売をする代表的な企業なのです。

起業構成を見ればわかる通り、企業としては創業から若く、サンタクララ(シリコンバレー)に本拠地を構えていることから、且つての半導体ブームと共に生まれた企業ということも推察できます。また、収益を見る通り、ここ最近、一兆円企業になったこともわかりますね。これだけ騒がれているにもかかわらず、ようやく1兆円企業の仲間入りを果たしたわけです。

ここで、NVIDIA(NVDA)の最新の決算〔2019年度第1Q四半期決算(2018.02~04期)〕の内訳を見てみましょう。

「Gaming」はゲーム部門 , 「Professional Visualization」はワークステーション等に利用されるGPU , 「Datacenter」はデータセンター向けソリューション , 「Auto」は自動運転関連 です。「OEM & IP」は関連会社による生産(売り上げ?)と特許使用料(?)←ここはちょっと怪しいです。

2018/08/17追記:OEM&IPは仮想通貨のマイニング関連の事業となっているようです。

まず、これまでの決算推移をみると、堅調であり、文句なしの推移かと思います。

この時のアナリスト予想と実際の決算結果は以下の通りです。

  • 売上 〔予想〕28億8000万ドル → 〔決算〕32億700万ドル 【OK】 ※)前年同期比 +65.6%
  • EPS 〔予想〕            1.66ドル → 〔決算〕        2.06ドル 【OK】
もう時間がだいぶ経っているので詳細には記述しませんが、NVDAはここ数年で株価もほぼ右肩上がりで来ており、AI関連銘柄におけるGPU製造の大本命とされています。
とは言え、あと2週間程でNVDAの第2Q四半期決算です。ドキドキしますね!

AI(人工知能)とNVIDIAの製品

 

ここからは、AIとNVDAの製品を関連付けていきたいと思います。

NVDA製品の概要

まず、当然といえば当然ですがNVDAの製品は用途によって区分けされています。私見で作っているので、これらの製品が全てではないですが、一例です。

この中でも、特にAI関連として注目したいのは、下段二項目のデータセンター向け製品です。AIは膨大なビッグデータを元に演算をするため、データ量が大きければ大きいほど演算量は増大していく仕組みになっています。また、ビッグデータは今後の新規データも演算に加えていくため、GPUの性能が”過ぎる”ということは無いように思います。

ちなみに、日本の理化学研究所には、NVDAのDGXが24台も導入されています。基本的に、国の研究機関などは、地産地消的な考え方で国内の機材を導入する傾向にあります。それでもDGXをしかも24台も導入したということは、如何に“技術的に圧倒的な差”があるかを感じ取ることができます。

理化学研究所は、文部科学省が進める AIP プロジェクト (人工知能、ビッグデータ/IoT、サイバーセキュリティ統合プロジェクト) の研究開発拠点として昨年、「革新知能統合研究センター」を設置しました。

引用元:NVIDIA

AIの需要

一口にAI・人工知能と言っても、概念的な話になってしまうので、もう少しわかりやすく砕いて説明をします。

現在ブームになっているAI(人工知能)技術は『高度な画像処理』が主なカテゴリとなります。

例を挙げると、

  • 自動運転システム
  • 顔認識システム
  • 不具合箇所抽出検査技術
  • 読唇システム
  • アニメーション制作高度化技術
  • 画像ノイズ除去技術

以上のように、全て人間が日常的に『視認範囲』で実行している事象を置き換えたような技術となっています。

AI(人工知能)と聞くと、アンドロイドやバイオロイドと言った類のものを想像する人もいますが、現状はこんな感じです。

一昔前にあったエキスパートシステムでは、すべての事象を項目化し、対話形式(iPhone のSiriみたいなもの)で決まったワードに対しての返答方法を設定することで、あたかも会話が成立しているような構造を作るということをしていました。しかし、人間生活のすべてをパターン化、項目化し、それらに正しい回答を教え込むというのは非現実的と知れ渡り消え去っていったのです。

ただ、現在でもSiriやGoogle Home、Amazon Alexaなどで応用されている技術でもあります。

話を戻しますと、上記のユーザーインターフェースを除けば大半は “画像処理技術に集約” されるというのが、今のAIブームの需要であり中身となっていると僕は思っています。

Pick Up:自動運転とNVIDIA

自動運転車のつくりかた

自動運転車とは、人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる自動車。英語では「autonomous car」と表記される。その他「ロボットカー」「UGV 」「ドライバーレスカー 」「self-driving car」などとも呼ばれている。

引用元:ウィキペディア

自動車の運転レベルは、大きく6つのレベル(走行難易度)があります。

  • レベル0:完全手動運転
  • レベル1:後方追尾・車線逸脱抑制
  • レベル2:車線逸脱抑制+ステアリング操作・衝突防止機能
  • レベル3:高速道路等の特定の条件下における自動運転(緊急時は手動操作) ←ここからが所謂自動運転
  • レベル4:道路等の自動運転(緊急時もシステムが操作)
  • レベル5:すべての条件下でシステムが操作(ハンドルレス)

こんな感じです。現在試験段階で走行されているのは、レベル4です。未だにハンドルレスまでのハードルは高いです。

ここで、自動運転で最も大事なことは何か考えてみます。それは当然 “事故を起こさないための安全性の担保” です。

自動運転で事故が発生した場合、責任の所在も難しくなりますよね(←これはこれからもずっと付きまとう問題)

では、どうしたら安全性の担保が可能になるのでしょうか?

答えは、”どんな道でも、どんな天気でも、どんな周辺状況でも、どんな危険が待っていても、事故を起こさないこと” なんですね。

かなり無理難題に聞こえます。要約すると、どんなケースにも対応できるAIを搭載した車なんですね。

実際に、道路や天気はDense(点群データ)を三次元的に確保すれば学習できます。しかし、周辺の状況、特に人や動物の飛び出しなどの不測の事態のケースは無数にありますのでかなり難しいように思いますよね。ですが、今回のAIバブルの火付け役でもあるディープラーニングによって、それは解決可能であるとされています。

実際にデータセットを作成するための道路走行は、MMSと言われる3次元点群データを取得する車両や写真を無数に撮影しまくる手法で行われます。その後、これらをサーバーに入れて「人は何か」「車線とは何か」「自動車とは何か」・・・とこれらを認識するためのシステムを構築します。そうすることにより、走行を重ねるごとに正解不正解を学習させ、対象の認識や検知の“確からしさ”を高めていきます。そして、人や物が「車両搭載カメラの画角内のあるポイントより内側に入った場合はブレーキを作動させる」といった条件を設定することにより、衝突防止のシステムを構築します。

長くなりましたが、上記のようなシステム構築をどんどん積み重ねていくことで “安全性の確からしさ” を担保していくのです。

つまり自動運転車とは、『走り込み』『教え込み』の繰り返しにより構築されるのです。現在は、レベル4の公道実験がTeslaによって行われています。この実験に利用されている車両には “NVIDIAのチップが利用” されています。

すごいですよね!駐車はもとより交差点のような人でも難しいところをうまく運転しています。

しかし、今後のレベル5に向けての動きとしては、上記のデータ処理を更に実施していかなければなりません。このことについて、NVIDIAのホームページ内でも課題として提起されています。

自動運転車で使用されるような最近のディープ ニューラル ネットワークでは、膨大な量のコンピューティング能力が要求されます。現在では、NVIDIA DGX-1 のような 1 台のコンピューターで、2010 年の世界最大級のスーパーコンピューター (「Top 500」、2010 年) に匹敵するコンピューティング パフォーマンスを達成できます。これは前例のない技術的進歩ですが、最近のニューラル ネットワークに必要なコンピューティング能力とトレーニングに必要なデータセット サイズを考慮に入れると、十分ではありません

引用元:NVIDIA

と言うことは、ますますの技術的発展がないと自動運転は実用化が難しいということかもしれませんね。つまり “超高性能なGPUを作った企業が覇権を握る” ということかもしれませんね。

自動運転とNVIDIA

では、これとNVDIAはどんな関係があるのでしょうか?関連性を見ていきましょう。前述しましたが、自動運転システムの構築には以下の作業が不可欠です。

  • 走行データの学習(Denseデータや写真データの解析)
  • 認識データの学習(物体の認識・検知・セグメンテーション)

走行データに関して、現在のカメラやスキャナーで取得するデータというのはかなりのサイズがあります。これらのデータは、クラウドに保存することはメモリの増設などで可能かもしれませんが、解析を行うのは極めて難しい作業です。難しいというのは、無理ということではなく、 “膨大な時間を要する” ということです。現状で自動運転車の実用化は2020年と言われています。これに間に合わせるためには “画像解析能の優れたスパコン “が必要なのです。

認識データに関して、物体の認識や検知といったシステムは、前述したように、「対象が学習したAというものと一緒である」という “確からしさ” を構築します。これには「畳み込み」という解析が必要となります。そして、この「畳み込み」に最適なのは “GPU” だとされています。

と言うように、自動運転技術において画像を処理するということは重要なファクターなのです。また、これらに加えて実際の走行時にも必要なものがあります。

  • 走行中の認識速度</span

当然、自動運転車は走行中に走りながら情報を認識し、処理し続ける必要がありますし、それに加えて “正確且つ素早い処理” が求められるのです。当然、処理能力の優れたGPUが必要となってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?少し長々とした記述になりましたが、要するに優れたGPUが必要なのです。

現状において世界では

“優れたGPU = NVIDIAのGPU”  です。

二位じゃダメなんです!笑

僕も専門と畑が違いますので、自分でもわかりやすいように砕いて記述してみたつもりです。

皆さんの何かの足しになればと思います。

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