こんにちは。びたみんしーただです。
日本時間の7月27日早朝にAmazonの決算がありました。皆様は今回の決算をどのように感じたのでしょうか?様々なご意見があるかと思いますが、僕なりの視点で今回の決算を考察していきたいと思います。
目次
Amazon 第2Q四半期決算 概要
では、今回の決算内容を軽くおさらいします。数字の詳しい内容に関してはもう既に詳細に書かれている記事等も多いので割愛いたします。ご了承ください。
- 売上高:528.9億ドル(予想からー4.8億ドル)
- EPS:5.07ドル(予想から+2.54ドル)
以下、次期決算ガイダンス
- 売上高 :540~575億ドル(予想から-40.4憶ドル~-5憶ドル)
- 営業利益 :14~24億ドル(予想から+1憶ドル~+11億ドル)
以下、注視材料
- Amazon Prime会員が1億人突破
- Amazon Web Serviceが前年同期比売上+49%
- Amazon Web Serviceの営業利益が前年同期比+79%
- 北米売上高が前年同期比+44%
決算所感
今回のAMZNの決算ですが、正直な感想として“かなーりヒヤヒヤしました”。と言うのも『グロース株は決算がスベって成長率が低下したら終わり』と唱える方も少なくないからです。実際に今回の決算では売上高はガイダンスに届かない結果となりました。
ただ、マーケットの反応としては、EPSが予想よりも遥かに上回る結果となったため好感を示しプレマーケットの時点で年初来高値を更新しました。その後、マーケットがオープンしてからも高値を更新しています。現在は1800ドル近辺をうろうろしています。
Prime会員が1億人を突破
今回の決算を受けて、市場の反応を見る限りでは、やはり多くの人が他のグロース株に比べてAMZNに期待しているように思います。特に昨年度ぐらいから“Prime会員の会員数頭打ちで業績悪化が始まる”だとか“会費を上げる”と言ったマイナスの意見がちらほら見受けられていましたが、これらをクリアして会員数1億人突破という大台越えを達成しました。これは、会費が高くなっても使いたいと思うユーザーが多くいるということを表しています。また、ユーザー数が変わらない、もしくは増えることで会費の収益性が向上しますので、AMZNにとってはこれ以上ない程の“安定した収入源となる”わけです。
Amazon Web Serviceが好調
今回の決算で注視していた方が多いと思われるのが、このAWSです。AMZNよりも前に決算を発表していたマイクロソフトやGoogleも“クラウド事業が好調で需要がある”ことが事前にわかっていました。このため、AWSも好調だろうというのが大方の投資家の見方でしたが、読み通り好調を示しており前年同期比1.5倍に迫る成長を見せております。
僕はこの好調ぶりは、やはりIT分野に関わらず多様な業界がビッグデータの保管や利用をするためのストレージ確保などに利用されていることに起因していると読んでいます。実際ジャパンでもその動きは顕著に現われており、日常的にIotだIcTだという言葉が飛び交っているので半ば体感として実感があります。またAMZNは商品購買に関する顧客データを持っていますので、広告収入なども増加しているようで、Google・Facebook・Amazonが広告収入の三本柱になっていると評価している方も見かけます。ただ、これに関しては、Facebookはもう後がないような気もしますので、やはりGoogleかAmazonかという感じなんでしょうね。
ちなみにFacebookのことについては下記の記事をご参照ください。
実際にAmazonのビッグデータを利用すると、Googleよりも多くの商品を捌くことも可能かもしれません。アフリエイトや広告などは最終的に物品購入の方向にもっていくものが多いため、Amazonは自分たちの媒体を利用して広告を掲載し、自分たちのECサイトで商品を購入させることができたりするのかもしれません。また、購買に関してのビッグデータはAmazonに敵う企業は今のところ存在しません。GoogleやFacebookは、個人情報から読み取る人物像や検索履歴の傾向はつかめるかもしれませんが、購買データのみを集約させたAmazonと購買傾向を争うのはステージが一つ違うと思います。
北米での売り上げが好調
本拠地アメリカ国内におけるAMZNの利用率が好調のようです。実はこれ、結構すごいことだと思っています。アマゾンエフェクトと言われていますが、米国内の小売業はAMZNにどんどん淘汰されております。ただ、それらの企業が徒党を組むことでAMZNに対抗しようとする動きが加速していることも念頭に置いておかなければなりません。最近はGoogleもEC事業に参入するという見出しの記事をよく見ます。・・・が実態はよくわかっていません。兎にも角にもAmazonはもはや恨まれ役となるほど成長しているということの裏返しでもあります。このため、今回の北米での売り上げが好調という実績は、そんな激戦の環境にありながらも得た“プロップス”ということで、今後の売り上げ拡大に期待しない理由がありません。
今後のAMZNへの期待と不安
ではAMZNは今後、どのような成長をしていくのでしょうか?正直、決算内容を見ても”こういう事業が好調“と言うのはわかりますが、当然”真の顧客のニーズ“や”今後の事業の詳細な内容“までは企業秘密ですので記されていません。このため、”Amazonが今後やろうとしていることを正しく理解する“、”自分がサービスを利用して感じたことを大事にする“と言うのが株主にとって大事だと思います。
今後の事業モデルついてはまた別途整理して書き上げていきたいと思います。
Amazonへの期待
僕はAmazonに期待しているのは、新業界への参入でもなく、AI分析でもなく、”EC界の覇権を握る“ことです。
僕はAmazonが”本屋でなくなった頃に“Amazonの存在を知った人間です。気が付くとこんな大企業になっていますが、一番の要因はやはりECサイトの使いやすさにあると思います。日本には元々”楽天市場“があり、Amazonが有名になる前までは楽天を使っていたという人も多いのではないでしょうか?僕もその一人です。ただ、楽天を利用して思ったのは
- 商品を探しにくい
- 同じ商品を複数の店舗で販売している場合に店舗数分のサムネイルが表示されて検索結果のスクリーニングが面倒
- 楽天カードを持っていると持っていないの差が大きすぎる
僕はクレジットカードなどを複数契約するのが嫌い(怖い)なので楽天カードを持っていませんでした。
そこで一度Amazonを利用してみたところ、上記の問題はほぼすべて解決しました。
- レコメンド分析による需要予測で商品検索が効率化(いわゆるこれを買った人はこれを買っています地獄 笑)
- 若干の重複があるものの、同型製品は整理されて見やすいサイト
- Amazonカードもあるが他社との連携強化で格差を解消
こんな理由から僕は”通販はAmazon!“と決めています。たまに浮気はしますけどね 笑 これを見たら僕は完全にAmazonの回し者だと思われそうですが、実際にそういう声は多いようです。下記事参照
Market Track社が行った調査によると、75%の消費者はオンラインで商品を探すとき、オンライン通販サイトで検索をスタートします(その内、58%はアマゾンで検索をスタート)。オンライン上でブランドの存在感を高めるには、バーチャルな商品棚での陳列を最適化するのが最も重要な要素だということが言えるでしょう。伝統的な広告活動よりも大切で、自社サイトよりも重要度が高く、グーグルよりも重視しなければいけないということです。
引用元:インプレス ビジネスメディア
この記事によると、最終的にAmazonで買おうが買うまいが一度は訪れるそうです。おそらくレコメンドによる他に必要となりそうなものや、価格比較のために訪れているのでしょうね。この記事は僕の感覚を確信に変えさせたところもありますので、お時間が許される方は是非一読ください。
実際、これからは新興国や未進出の先進国へAmazonが浸透すれば、まだまだ伸びしろがある部門だと思いますので期待しています。また、無人コンビニなどを普及させれば生鮮食品などの売り上げも拡大していくことでしょう。応援しています。
Amazonへの不安
Amazonは現在インドをはじめとする新興国への投資を積極的に行い、将来の地盤づくりをしていますが、これは期待の反面不安でもあります。EC事業と言うのはネットインフラや都市インフラ全般がそろっていることが大前提としてありますし、これらが揃っていたとしてもすぐに開始できるわけではないようです。あまり詳しくないので詳細に記述できなく申し訳ないのですが、諸々込みで考えると参入障壁が高いようです。日本でいうところの大手マーケットや商工会議所みたいなところと色々あるのでしょうかね?
これについては勉強してわかりしだい追記します。
またもう一つの不安として投資家への貢献の仕方と企業への過剰な期待についてです。Amazonは元々税金対策もあってなのか営業利益をほとんど出していませんでした。それが前々回決算ぐらいから計上されてきておりまして、実際その時は”ついに儲けすぎて利益出さざるを得なくなった“みたいな意見から株価を押し上げました。そして今現在に至るまでその勢いは収まるところを知らず1800ドルまで上昇したのです。グロース株の宿命と言えば宿命ですが、先の成長に対して株価が反映されるわけですから決算をスベると急転直下なわけですね。最近はAmazon貯金とかいう言葉もできているようなので、アンテナの張り方はNVDA以上に過敏になっています。当たり前ですが潮時の見極めは大事だと思っていますので、機を逃さない売買をしたいですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?ほんとはもっと書きたいことがたくさんあるのですが、後でネタが尽きちゃうので今回はこのあたりに留めておきたいと思います。特に銀行業やヘルスケア部門参入ってのは一つキーポイントですね。このあたりの業界と言うのはツートップなんじゃないかと思うぐらい参入障壁が高く厚いと思いますので、動向に注視です。
僕は株主としてAmazonの様々な新しいサービス展開に期待をしてはいますが、一個人としてはECが使いやすく満足度が高いので応援したいという気持ちが強いです。未だに楽天を使っている友人を全部Prime会員にしたろうと企んでいます(笑) このため、今後Amazonの株価が落ち着いてグロースでなくなってもサービスが続いている限りできるだけ応援していきたいなと思っています。
長文失礼しました。お読みいただきありがとうございます。
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