こんにちは。びたみんしーただです。
今回は、僕が投資しているAI関連銘柄の今後を考える上で大事だなと感じた考え方についてまとめてみました。
目次
はじめに
今回考えていきたいのは、「人工知能」「AI」と言う分野について詳しい方にお話を伺った際の内容についてです。僕自身のリマインドでもありますが、今後こういった技術や業界へ投資していく上では非常に重要な内容ですので、僕と同じくAI関連企業に投資している方はぜひご覧ください。また、僕の理解が至らない場合はぜひご意見いただければ幸いです。
ちなみ、現在投資している企業はハード分野で”NVDA“、利活用・サービス分野として”AMZN“を保有しています。
AIのおさらい
AI ≠ Android
そもそも”AI“という言葉は、昔あった映画などのイメージから”ほぼ人間“のような印象を与えています。実際のところそのイメージはAIではなく”アンドロイド“と言う言葉が正確かと思います。
人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、「計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」を指す[1]。
引用元:ウィキペディア
ちなみに、アンドロイドとは人造人間の事を指すことが多いです。今は携帯端末にもandroidがありますが。
人造人間(じんぞうにんげん)は人型ロボットなど人間を模した機械や人工生命体の総称。SFフィクション作品、漫画・映画・小説などで取り扱われることが多い。
引用元:ウィキペディア
主要な”AI技術”とは
ここ最近話題となっているのはAI技術とは言いますが、”ディープラーニングを用いた画像認識・処理技術“です。これは以前ポストした自動運転技術が最たるものと言えるでしょう。
ただ、実際に現状国内の各セクションの技術者の多くは何となくでしかこの違いを理解しておらず、イメージの共有や合意形成に支障をきたしています。
“現象”と”表現”
僕が先日の話の中で重要と考えたのは、”哲学的・概念的視点からのAI技術の理解“です。僕はAI技術を学ぶ中で無意識のうちに、”現象“と言う概念を無視していました。実際に現実世界に対してIoTと言う形でAI技術を落とし込むには、現象とは何かを理解しておく必要があります。
システム化可能な現象
現実世界とリンクさせる現象を表現するAI技術はどのようなものをイメージするでしょうか?例えば工場やプラントの点検時の写真データから錆を認識し、カルテや論文データから老朽化が原因である可能性が70%と回答するようなものを想像します。この時、学習モデルが緻密であれば、その程度状態を把握し、今後の進展予測や対策方法をレコメンドするようなものにもなりうるとも想像します。
この場合は”写真データから錆を認識する要素技術“+”原因・対策パターンを検索する自然言語処理技術“+”設定された重みから回答を出すレコメンド分析技術“+”対話形式にするなどのユーザーインターフェース“となります。
しかし、これらの技術の課題は”程度“を表現することがあげられます。この”程度“ですが例えば写真面積当たりや部材当たり〇%以上錆があればA、B、Cと分類することは可能ですが、極めて定性的に表現する”色の程度“などは主観性が介在するために表現するのは非常に難しくなります。
つまり、現在の”AI技術”は画像の程度を機械的・定量的に表現することが可能ではありますが、人それぞれの主観性の強いものについては表現が非常に難しくなります。
形而上学的概念
上記で現象を説明することの難しさを示しましたが、もっと具体的にわかりやすく説明します。
例えば”おなかが痛い“ということを表現したい時に、ただ単に”おなかが痛い”と言っても、「おなかとはどこを指すのか」「胃なのか腸なのか」「その痛い臓器のどのあたりなのか」「どのくらい痛いのか」などがわかりませんので、それらをなるべく説明や形容をしてやります。
しかし、いくら形容しようが説明しようが自分が感じている腹痛を相手に”完璧に想像させる“ことはできません。近いものは表現できるかもしれませんが、自分が感じているものを表現するのは無理があるわけです。これはモノであっても一緒で”リンゴ”と言ってもそれが「木に実ったものなのか、収穫したものなのか、絵なのか、写真なのか」わからないといったことになります。
これは形而上学の概念であり、哲学の部類に入ります。
形而上学は、感覚ないし経験を超え出でた世界を真実在とし、その世界の普遍的な原理について理性的な思惟によって認識しようとする学問ないし哲学の一分野である。世界の根本的な成り立ちの理由や、物や人間の存在の理由や意味など、見たり確かめたりできないものについて考える。対立する用語は唯物論である。
引用元:ウィキペディア
これらのことから、何かを表現するというのは、AI技術以前に我々人間同士でも非常に難しいと言うことがわかります。つまり自動的に、数値やデータからは抽出しきれない何かを含む現象を正確にAIが説明できるはずがないのです。
現実とネットワークの世界との壁
では、説明できない現実世界を説明しようとする動きは何故起きているのでしょうか?また、それを実現するための壁はどのようなところにあるのでしょうか?現実世界とネットワークの世界の二視点から考えてみましょう。
ネットワークの世界
1980年代、Windows98が普及され、徐々に世の中が電子化されていく潮流が生まれました。それからと言うものIT革命などを経て現在はAIの運用などが行われています。その中で”世の仕事をAIが奪う“などささやかれています。
実際にそれは正しいです。事実、ネットワーク上で行われるシステム管理やタスクは、ネットワーク内で生まれネットワーク内で管理されているため既存のAI技術の適合に最も向いているのです。これにより現在の技術により人が行っている作業を代替えするということは十二分に可能です。つまり「プログラミングにより生成されたものは当然プログラミングで説明が可能」と言うことになります。
また、更に付け加えると「プログラミングにより生成されたものは、当然ブラックボックス化せずにプログラミングで説明が可能」でもあります。
現実世界
では現実世界ではどうでしょうか?現在、モノのインターネット化と言われるIoT(Internet Of Things)ですが、これは”世で起きる現象を数値化する事で概念的に捉えてきたことを数字で説明する“と言うことが根底にあります。しかし、これらの適用にあたり口々に聞かれるのが「推定過程のブラックボックス化はダメだ」と言うことです。
ではブラックボックス化せず且つ完璧に事象の説明や推定は可能なのでしょうか?答えは”NO“です。そもそも論として前述したとおり、人間が人間の行うことや感じることを完璧に説明する能力を有していません。我々自体が自らの思考をブラックボックス化しています。そして我々の言うAIは、そんな「能力を有していない人間」が作り上げるものに他なりません。
また、人間は何かを判断するときに「経験測」や「感覚」を頼りすることがあります。これが暗黙知です。この暗黙知は無意識で様々な事象や状況を判断するエッセンスとする場合もありブラックボックス化を助長します。人間とは自らを説明できない不完全さをたくさん有しています。
しかし、そんな不完全な人間の正解に近づける方法はあります。それがIoT化と総称されつつ行われている「センサー技術」です。現在開発されている様々なセンサーにより、人が何となくや感覚で捉えていたものを限りなく数値化を行い深層学習等で相関やクラスタリングを行います。そうすることによって、例えば「結構揺れている」などの感覚を「〇〇Hzで揺れている」と言うように数値化することで事象に対しての閾値を作成して判断することができます。
また、強化学習を使うことにより人の感覚的な”幅“をより”確からしい“ものへと変化させていくことができます。これにより前述した”リンゴ”の確からしさを表現することができるのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?やはり人間と言う生物は、とても面白い生物だと思います。精神と言う概念などの極めて不確定且つ不安定なものを有していながら、普段はロジックや理論などの言葉を発してそれを追求する・・・。う~ん考えれば考えるほどわけがわからなくなってきますね。
ただ、今回記述した通りAI技術の現実世界への進出は、ある側面においては活用が可能ではありますが、人間の本質を理解したり、それを脅かすようなものではないことは確かだと思います。
これを書いている途中、ずーっと思い出してたのは攻殻機動隊のタチコマちゃんです。人は行動するときの原理や理由をロジック化できないことがあります。作中の素子の言葉を借りるなら「そうしろと囁くのよ、私の中のゴーストが・・・」ってところでしょうか?
いつかこの精神世界を完璧に再現する技術が生み出されるかもしれませんね。それが次の革命的技術革新かもしれませんね!
長文失礼いたしました。お付き合いいただきありがとうございます。
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